査読報告書の書き方
- 査読報告期限:メールで送られる査読〆切を厳守下さい。
- 査読報告はWEBで行ないます。
- 査読基準に照らしあわせて査読を行なって下さい。
第1回査読報告時
- 条件付き採録時条件
- 著者からの採録条件に対する回答書のことを考慮して、採録条件は番号列挙書きにすること。
- 採録条件は「照会項目」ではなく、「採録判定に必要な条件」を明確に書かなければならない。
曖昧な採録条件を提示することにより判断が先送りされるよりも早い時期に不採録と判断する。
ACS論文誌は年4回の発刊を行なっているので、不採録理由を充実することにより、より質の高い論文として再投稿してもらう方が建設的であると考える。
- 「×××が不明確なので説明せよ」のような条件文は書かない。
説明しさえすれば条件を満たすと考えられる。説明の内容によっては不採録となる場合には,「第1稿では不明確な×××について,技術的に妥当と認められる説明が加えられること。」などというように,どのような説明が加えられるべきかなどを明示することが必要となる。
説明の結果、新たなる疑問が生じることがある。論文の新規性・有用性を判断するために必要な情報が本質的に不明確な場合には、不採録と判断する。
- 「×××をすべきです」のような曖昧な条件文を書かない。
条件文は断定的に書くこと。
- 提示されている実験データ等のみでは論文の有効性・有用性を評価できない場合には,短期間での修正が困難であるとして不採録とするのが妥当である。
条件付採録通知から修正稿提出までの期間は3週間と短いため,新たな開発等を必要とするものはもちろん,時間を要すると思われる追加実験の実施を採録条件とするのは一般的に困難だからである。
- 不採録理由
- 査読基準に照らしあわせて、採録に至らなかった理由を著者に対して明確にすること。
- 「新規性がない」と判断する場合、如何に新規性がないかを説明しなければならない。査読者にとって「誰でもが思いつくこと」と思っても、その提案が既知のものでないならば、査読基準に照らしあわせて不採録と判断してはいけない。新規性・有用性がないと判断される例
- 既存システム(アルゴリズム)との差が明確に記載されていない
- 既存システム(アルゴリズム)との違いは、本質的問題がある
- 不採録と判断した時には、著者が次回論文を投稿する時の指針となるような建設的コメントを付することを推奨する。これは査読者の責務ではない。
第2回査読報告時
- 第2回査読では、採録条件が満たされたかどうかが焦点になる。
この採録条件には他の査読者やメタレビューアの査読報告に記載の条件を含むのが通例であるので、そのような場合には必ずこれらを参照して条件の充足・不充足を判断すること。また、査読者自身の査読報 告に記載した条件全てが処置記録の採録条件に含まれているとは限らないことに注意すること。
- 新たなる問題が生じた場合、査読基準に照らしあわせて判断する。
- 不採録理由
- 採録条件が満たされていないことを説明する。
修正論文および回答文に書かれている内容と採録条件を比較しながら著者に対して明確に満たされていない理由を説明すること。
- 不採録と判断した時には、著者が次回論文を投稿する時の指針となるような建設的コメントを付することを推奨する。これは査読者の責務ではない。
Last modified: Tue Jun 7 12:47:25 JST 2005