ACS論文誌 査読基準
査読基準は、基幹論文誌編集委員会の「論文査読の手引き」(2012年4月2日改定版)に大筋において従っています。以下、ACS論文誌の査読基準を掲載します。
1 ~ 6は、基幹論文誌論文査読の手引に掲載されている内容を元にしています。
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論文誌の発行は2つの意味を持つ。(基幹論文誌準拠)
- 会員に有用な情報を提供する。
- 会員に研究発表の場を提供する。
(2)の意味からすれば、すべての投稿論文を掲載すべきであるが、(1)の意味からすれば、何でも掲載するというわけにはいかない。したがって、(1)、(2)のバランスをとるために査読を行う。(基幹論文誌準拠)
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『石を拾うことはあっても玉を捨てることなかれ』
査読は基本的に加点方式で行う。具体的には以下のポリシーに従う。
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論文に関して大切なもののひとつにオリジナリティがある。第1回目の査読では、どのように修正すればオリジナリティを明確にできて、内容が分かりやすくなり、採録されるかを、責任をもって具体的に示す。
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論文の価値は最終的に社会が決めるので、その分野における学術上の議論を活性化する可能性があるものであれば積極的に採録とする。
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学問・技術の進歩が速い今日、迅速な査読は、読者に対するサービス、著者に対するサービスのいずれの観点からも絶対に必要である。迅速な査読を促進するために、特に以下の点に配慮すべきである。
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前項(2)の考え方で割り切り、結論は断定的に下す。査読は、データやすでに公知となっている論文の引用に基づき行うことが大前提である。報告書を書く際は、査読者の記述事項がデータやすでに公知となっている論文の引用に基づいたものか、自分(査読者)の意見なのかが明らかに分かるように記述する。
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見解の相違が残る場合には、査読者という立場を離れて誌上討論等で問題を提起すべきである。
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論文の長さについて
基幹論文誌とは違い、ACS論文誌では、論文の長さについての制限は設けない。ただし不必要に冗長な論文は,それを理由に不採録としたり,短縮することを採録条件にすることがある。
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二重投稿について
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論文誌編集規程第4条1項に定める通り、投稿原稿が論文審査を伴う刊行物に投稿中の論文と内容が同一の場合、二重投稿とみなし不採録とする。
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論文誌編集規程第4条2項に定める通り、学会等が発行する学術雑誌にすでに掲載あるいは採録された論文と内容が同一の場合、二重投稿とみなし不採録とする。なお、研究あるいは開発成果発表の最終形態は学術雑誌の論文であるとの考えに基づき、途中経過報告として認められた論文については、二重投稿とはみなさない。ただし、著作権上問題がない原稿の投稿に限る。
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前項に関して、本学会の主催・共催を問わず、全国大会、研究発表会、シンポジウム、国際会議等へ発表された論文は、本論文誌では基本的に途中経過報告とみなす。ただし、主催者が途中経過報告と認めない場合はその限りではない。また、本論文誌に掲載されたテクニカルノートを発展・充実させ投稿した場合には、掲載されたテクニカルノートは途中経過報告とみなす。
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論文誌編集規程第5条に定める場合には、二重投稿の例外となる。
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英文論文については、採録決定後、外国人に英文のチェックを依頼するが、学術的な観点で英文について気づいた点があれば指摘する。なお、JIPへの投稿論文の査読に関しては、新しくJIPの査読マニュアルが改訂された場合にはそれに準じて査読を行う。
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急激な技術の変革に適応し、時宜を得た情報を提供するために、独創的な提案やアイデアは、その実用的価値を評価し、積極的に採用する。
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システム、要素技術、利用技術などの実用的研究・開発の成果は、論文としての客観的な主張を含むものであれば、実用性を重視して積極的に採用する。
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著者独自の視点から整理・分類・評価し、技術を展望するオリジナルなサーベイ論文は、技術的価値の高いものである。本論文誌では、優れたサーベイ論文は積極的に採用する。
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応用システムでの実際、事例については計算機分野の研究者とユーザを結びつける重要な情報です。情報処理以外の他分野のユーザにも投稿を呼びかけ、積極的に採録する。この点については、今後、査読基準をより明確にすることに努めます。
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査読に当たっては、公正審議規定を遵守すること。
Last modified: Mon Dec 7 21:00:00 JST 2018